新酒の誕生
新酒誕生の映像搾りたての新酒は、ろ過、加熱(火入 れ)され、そして貯蔵されます
製成後、一切加熱処理をしないお酒を生酒といい、製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の際に加熱処理するお酒を生 貯蔵酒といいます。
香味が整うまでには、一定期間の貯蔵が必要で、貯蔵条件によって酒質が向上するか、また劣化するかが決まるので、製造工程と同様に注意を払う必要があります。
精米から、並行複発酵、段仕込みというとても複雑な工程を経て、約六十日間をかけて、日本酒は誕生するのです。
《《さらに詳しく》》
[新酒の誕生]
上槽や滓下げのあと、無濾過や生酒として出荷するために、濾過や火入れを経ないものもありますが、そうでない製成酒は通常それらの工程を経た後に、さらに酒の旨み、まろみ、味の深みなどを引き出すためにしばらく貯蔵(ちょぞう)されます。
吟醸系の酒は、香りや味わいを安定させるために、半年かそれ以上、熟成の期間を持たせるものも多いです。
しかし、いちいち古酒、古々酒といった表示をするのは、吟醸の品格からして無粋であるというような感覚から、そういった表示はラベルにされないのが通常です。
非吟醸系であっても、本醸造酒や純米酒では、酒蔵のある風土の自然条件、仕込み水の特徴、杜氏が目的とするコンセプトなどさまざまな理由から、長期間貯蔵して熟成させるものがあります。
酒蔵では、その年初めての酒が上槽されると、軒下に杉玉(すぎたま)もしくは酒林(さかばやし)を吊るし、新酒ができたことを知らせる習わしがあります。吊るしたばかりの杉玉は蒼々としているが、やがて枯れて茶色がかって行きます。この色の変化がまた、その酒蔵の新酒の熟成具合を人々に知らせる役割をしています。